『ウォーク・ザ・ライン』

ガッカリな出来事があり、いや、何もなかったからガッカリか。
なにはともあれ、夕方、どうにもこうにも仕事をする気にならず、
映画でも観に行こうと思い立つ。
いくつかの劇場をネットで検索し、目に留まったのが、
ウォーク・ザ・ライン』。
まだ、間に合いそうだ。
そそくさと店じまいをし、テアトル・タイムズスクエアへ。
 
ジェームズ・マンゴールド監督作の2005年アメリカ映画で、
原題は『walk the line』。
偉大なカントリー歌手、ジョニー・キャッシュを、
2番目の妻となるジューン・カーターとの仲を軸に描いた作品。
予想以上に良かったです。
ジューン・カーターとの仲を軸に据え、
ぶれることなく描いたところが勝因でしょうね。
甘いロマンスではなく、ステージ上でもプライベートでも、
文字通りパートナーへと育っていく山あり谷ありの二人の仲は、
見ごたえ充分です。
それと同時に、亡き兄への想いや父との葛藤、
そしてドラッグとの闘いが、
軸をぶらすことないバランスで織り込まれていて、
これがまた作品に厚みを加えています。
 
ステージ上でジョニーがジューンを抱え上げるシーンは、
溜め息が出るほど、まばゆく、美しかったです。
 
ホアキン・フェニックスリーズ・ウィザースプーンの演技は、
素晴らしいですね。。
歌も良かった。
 
ミュージシャンを描いた映画というと、
レイ・チャールズを描いた『Ray』が記憶に新しいですが、
出来は本作の方がはるかに上だと思います。
 
劇中で歌われた歌詞にこんなのがありました。
 
「沈んだ心には、浮き立つリズムを」。
 
ニンマリしてしまった。
失望に支配されていた僕の心をパッと明るくしてくれた。
最高の映画に当たったなあ。

JOHNNY CASH『AT FOLSOM PRISON』。

名前ぐらいしか知らなかったジョニー・キャッシュ
帰りに買ってきた。
いやー、良いです。