白紙回答

今日は久々の友人と会った。
ゆっくり話すのは10年ぶりぐらい。
 
旅先のアラスカ・フェアバンクスで知り合い、
それ以来ずーっと会うことなく時は過ぎ、
去年、突然、個展のお知らせをもらった。
そこで、フェアバンクス以来の再会を果たしたのだけど、
立ち話しかできなかった。
 
旅先で知り合った人との再会は、「今、何やってんの?」に始まり、
結局は旅の思い出話でひたすら盛り上がることが往々にして多い。
それはそれで、もちろん楽しい時間。
でも、今日は違った。
旅の話は、ほんの一部。
いろんなことを話した。
映画の話から、友人の死の話まで。
 
そんな中で、なぜ僕は出版社を目指したのかの話をした。
新聞記者になりたいと思ったのが始まりで、
それはなぜかというと…、そんで、出版志望に変わり…。
話しながら、自分自身、そうだったなあなんて思っているところに、
 
「今から、それはやらないの?」
 
と、問われた。
まっすぐに僕の目を見据えた彼女の目は力強く、
僕は、その視線と問いかけに、たじろいでしまった。。。
 
彼女は今、鉄を素材にして、
アートとしての意味しか持たない作品ではなく、
実用性を兼ね備えた作品作りをしている。
まだ、有名でもないし、収入とか考えると大変だろう。
でも、これも今日聞いた話だけど、いろいろな経験を経て、
そして今、自身が望む道、進むべき道を、歩んでいる。
 
そんな彼女だからこその真っ直ぐな問いかけと視線を、
僕は受けきることができなかった。
そんな自分が、何を考えるべきか、どうするべきか、
その答えすら、持てていない。。。

ただ今のBGM

ナシ。