アフレコ

アニメのアフレコってのを見た。
初めて。
 
まだ絵が出来上がってなくて、
画面には絵コンテ状態のものが映し出される。
そこに、いろんなキャラ名がパッと出て、
しばらく映っていることもあれば、すぐに消えることもある。
そのキャラ名が出ている間、そのキャラがしゃべってる、
つまり、口を動かした絵が入るということ。
それぞれのキャラの声優さんは、
その点滅に合わせてセリフを言うわけだ。
台本に目をやっていて、画面を見てなければ、
そのタイミングを逃す。
一言一句まで覚えているかどうかは、わからないけど、
基本的に場面もセリフも頭に入ってるってことだ。
やるなあ。
 
マイクの数は限られてる。
声優さんの方がはるかに多い。
だから、マイクを共有するわけだけど、
Aマイクは誰と誰、 Bマイクは…、とは決められない。
だって場面によって出てくるキャラの組み合わせが違うからね。
そこで、どうするかというと、
シーンそれぞれで空いてるマイクを使う。
ゆったりとしたシーンではいいけど、
激しい展開の時は声優さんたちの移動も激しい。
でも、バタバタと音をたてるわけにはいかない。
しかも、とりあえず一番近くの空いてるやつを使えば
いいってわけじゃない。
次のシーンのキャラの組み合わせも考えながら、
使うマイクを決める。
これが、まあ見事なこと。
スタッフの人に聞くと、
各マイクへの動き方という指示は出してないそうだ。
声優さんたち各自が頭使って動いてんだね。
やるなあ。
 
で、そんなこんなもおもしろかったのだけど、
実は一番おもしろかったのは、演出つける人たちのやりとり。
通しでテストした後や本番中に気になった点を洗い出す。
しゃべり方の雰囲気が合ってないとか、
イントネーションが間違ってるとか、
そして、アフレコ特有だと思うのが、
画面上でキャラが口を動かしてる時間とセリフの長さが
合ってないんで、言葉を足そう・削ろうとか。
この言葉いじりが、おもしろい。
ポンと単語を入れることは当たり前だけど、
助詞や語句の言い回しを変えて1文字単位で稼いでいくことも。
しかも、キャラのイメージに無い物言いにはできない。
それを、テキパキと調整していく。
やるなあ。
 
ちなみに、このやりとり、声優さんたちには聞こえない。
大きなガラスで仕切られてる。
だから、率直な意見がでまくり。
そして、まとまった意見を伝える役の人がいるんだけど、
実に巧く物言いを変えて、声優さんの気分を害さないように伝える。
このガラス一枚を挟んでの本音と建前なやりとりが
おかしいんだよねえ。
やるなあ。
 
放送が楽しみ。

ただ今のBGM

Arrested Development(アレステッド・ディヴェロップメント)
『AMONG THE TREES』(アマング・ザ・トゥリーズ)
今年、出た最新作。買ったはいいが、聞いてなかった。
再結成後では1番好きかも。