『フレンムル』

今日もアイスランド映画祭に。
オーラヴル・スヴェインソン監督の2002年の作品
『フレンムル』(Hlemmur)と、
ウナ・ロレンゼン監督の2004年の作品
『農夫ジョン』(Heimur Jons bonda)の組合せ上映。
さらにオマケとしてシガー・ロスのPV2本付き!
 
まずは『農夫ジョン』から。
これは、18世紀のアイスランドの農夫・ジョンが
書いた絵を使った5分ほどのアニメーション。
画家じゃないし、彼の絵は落書きみたいなもん。
素朴な絵による人や動物やモンスターらを切り抜き、動かし、
当時の風俗を映し出して見せる。
面白いアイディアだなと思う。
 
そして、シガー・ロスのPV2本。
最新アルバム『Takk...』からのシングル、
『Glosoli』と『Hoppipolla』のもの。
前者は子供たちが、後者は老人たちが演じる。
共に純真爛漫なイメージを見せる。
そのイメージはシガロスの音に合うとは思うけど、
僕は2本とも、さほど好きとは思わない。
嫌いでもないけどね。
どーでもいいよ、彼らの音さえあれば。
 
最後に『フレンムル』。
レイキャヴィークの市内バスターミナル「フレンムル」に
集う・居つく人々を追った長編ドキュメンタリー。
老人、アル中、病人。
画面に現れるのは、生活保護で過ごす人ばかり。
アル中から立ち直った一人を除いては。
その彼は、今や、カギ十字を携帯の待ち受けにしている、
ナチ信奉者だ。
 
福祉国家アイスランドでは、
彼らが、ただ生きていくことは保証されているのかもしれない。
しかし、彼らには行く場所もなく、毎日、フレンムルに集い、
日々を、時間を、どうにかやり過ごしている。
福祉とは何なのかを考えさせられる。
 
昨日の『101レイキャヴィーク』の主人公は30歳で無職。
でも、失業保険で食ってけるし、週末はクラビング。
 
充実した福祉って何だろう。
保護するだけじゃ、ダメなんだね。

ただ今のBGM

Sigur Rosシガー・ロス)『Hlemmur』。
上記映画のサントラ。
早い話、だから、今日、観に行ったのさ。