『恋愛中毒』

山本文緒の小説。
 
主人公への共感もほとんど感じられず、
全く好きにもなれない、いや、不快にすら感じる主人公。
でも、ページをめくる手は止まりませんでした。
 
主人公の、好きになった男への情念には凄いものがありますが、
それにも増して、この主人公を描ききろう、世に出そうという、
作者の執念のようなものを感じます。
それが、何が面白いのか自分でもわからないのだけど、
ベージをめくらせてしまったのかもしれません。
特に後半は一気に読んでしまった。
 
作中に、2種類の人間が出てくる。
粘着質で、考え込み、内に溜める人間と、
淡泊で、感情や考えをあっけらかんと外に出す人間。
どちらかと言えば、僕は主人公と同じく、前者かなあ。

ただ今のBGM

Charly Garcia『Unplugged』。