Culture Musical Club and Bi Kidudu

〈東京の夏〉音楽祭2007「ザンジバル島の大衆音楽・ターラブ」
Culture Musical Club and Bi Kidudu@C.C.Lemonホール
 
今日は、チケットを無駄にせず、観てきました。
 
アフリカ大陸タンザニアの沖、
インド洋に浮かぶ小島「ザンジバル」、
今、チラシを見ながら知りました。
それまで、アフリカの、どっかの島ぐらいの知識でした。
 
休憩を挟む2部構成。
1部は、アフリカンというより、アラビックといった音。
アラブの琴みたいなきらびやかな音とか。
でも、バイオリン、アコーディオンウッドベースがあって、
ちょっとヨーロピアンな雰囲気も。
ウードもあったりで、インドの影響も。
でも、ボーカルは、まごうことなきアフリカ。
そんなミクスチャーな音が気持いい。
 
2部はアフリカでしたね。
祝祭といった感じの、長尺、手拍子、ダンサー踊りまくりな曲。
ここでは、アラビックな楽器とウッドベースは現れず、
バイオリンとリズム隊(伝統楽器のベースを含む)。
インストだったら、ROVOとかに通じる音。
そこに、アフリカンなヴォーカル&かけ声が乗る。
 
絶対に会場を間違えてる。
この夏は涼しいけど、本来の暑さの中、
日比谷野音とかで聴いたら、
もっともっと気持ち良く楽しめたろうに。
 
日本在住のザンジバルの人なのかな。
1000円札だったかを頭上で舞わせながら、
ゆったりと踊りながら歩を進め、ステージ上のアーティストに渡す。
現地の風習なんですかね。
何人か日本人が真似てやってたけど、哀しいほど様にならない。
ここにある決定的な差はなんなんだろう?
流れている時間が違うのかな。
あの“ゆったり感”が、どうにもね。
 
Bi Kiduduという、おばあさんがゲスト出演。
チラシによると
(推定95歳)の女性歌手「ターラブの生ける伝説」
らしい。
見るからに、ご高齢。
そんなおばあさんが、声を張り上げて歌い、
2回目のアンコールでは、でかい太鼓を叩きながら歌った。
彼女が出てくるだけで、会場、大盛り上がり。
隣の人とか「すげえ」と。
 
あれ、本当に良かった?
 
声は、枯れた張りだけで、伸びは望むべくもないし、
ぶっちゃけ、音程だって調子っぱずれがチラホラ。
当たり前だよ、95歳だよ。
それで艶のある張りと伸び、息も続いて、
音階自由自在だったら、バケモンでしょ。
お年寄りがステージで大きな声が出てるで、「すげえ」?
少なくとも、僕は、それを観に行ったわけじゃないです。
これこそ、会場、いや、場所を絶対間違えてる。
ザンジバルの街角や村で聴いたら、泣くよ。
冷房利き過ぎのホールでじゃないよ。
呼び屋さんは、彼女を凄く尊敬してるんでしょう。
だから、是非とも日本へと思ったんでしょう。
でも、だからこその英断も必要なんじゃないかな。
“そこ”じゃないと聴けない音、
遭えないもの・空気があるんだから。

今日の開封


Culture Musical Club(カルチャー・ミュージック・クラブ)
『Waridi』(ザンジバルのバラの香り)
第1部の音です。
郷愁を感じさせる、良い音です。